料理教室といえば、習い事と聞いて思い浮かぶ代表的なジャンルのひとつ。初心者向けからプロ級のクラス、和食からお菓子までさまざまあるが最近注目されているのが、食品メーカーなどが主催する“プチプラ料理教室”だ。
500円、1000円など安価で1回限りと気軽に参加できることから人気を呼んでいる。キッコーマンが主催する料理教室「KCC食文化と料理の講習会」は、毎回異なる料理人や専門家を招いて月3~4回程度開催される。
受講希望者はその都度インターネットで申し込み、抽選に当たると1回1000~1500円で講習会に参加できる。
この日は料理家の今井亮さんが、「夏に食べたい中華風麺」をテーマに、大葉香るたっぷりニラ焼きそば、すりおろしトマトそうめんなど実演しながら作り方をレクチャー。キッコーマンの本つゆ、焙煎大豆茶のお土産つきだ。
「レシピはどうやって考えていらっしゃるんですか」と真剣なまなざしで尋ねる石井麻文さん(43才)は、30才を過ぎてから料理を習い始め、これまでいくつもの料理教室を渡り歩いてきた。
「おいしいものを食べること、人が集まって楽しく食事をすることが好きなんです。また、父の転勤や学生時代の留学など、海外で過ごした際に料理は言葉を超えて人と人をつなぐと実感しました。
自分も周りの人も幸せな気持ちにしてくれる料理をしっかり学んでみたいと思い、料理を習い始めたんです。これまでに、和食はもちろんフランス料理やインド料理も習い、3時間立ちっぱなしのハードな教室に通ったこともあります」
いつか習いたいと思っていたが、働き始めると仕事が忙しく、なかなか通う余裕がなかった。
「30代に入ってようやく仕事がひと段落して、時間も精神的にも余裕ができ、習い事をできるようになりました」
キッコーマンの講習会に通い始めたのは2年前。今回で6回目の参加だという。
「クラスの種類がたくさんあるので、選ぶのも楽しいです。今回は、夏の麺料理に興味があって参加しましたが、とてもおいしいし、簡単にできるものばかりで、来てよかったです」
料理を習い始めて13年の石井さんだが、料理の魅力はなんといっても家族や友達に喜んでもらえることだという。
「今日みたいに習ったお料理を作ると家族にも好評で、お料理って、自分が食べるためだけじゃないからこそ、あれこれ習いたくなるのかもしれないですね。もちろん、自分でもできるようになるとうれしいし、食事は一生つきあっていくものだからこそ、よりおいしく、楽しくできるようにしたいです」
この秋、石井さんは夫の転勤に伴いイタリアに引っ越す予定。現地の料理を習ったり、和食のレシピを伝えたり、ホームパーティーを開くなど、大好きな料理を通じた文化交流が楽しみだ。
※女性セブン2017年8月10日号