国内

葬列が消え、通夜・葬儀泥棒が横行し出した理由とは?

世も末? 葬列の風習が消えた理由(写真/アフロ)

 年子の弟を亡くし、還暦になって初めて身内の死に直面した本誌・女性セブン名物記者のオバ記者(60才)が、地方における葬儀にまつわる問題について綴る。

 * * *
「子供の頃は、葬式と聞くと飛んで行ったよな」
「じゃんぽん!」

 これでわかる人がどれほどいるか。私が子供の頃、実家付近でのことだが、葬儀が終わったら葬列をつくってお墓まで運んでいた。その間、道にまいた小銭を子供が競って拾うのだけど、昭和40年代の数百円は、子供の大金だ。

 しかも葬式のお金は不浄だから、水で洗ってその日のうちに使い切っていい、というのが地域のルールだった。

「(この風習を)しばらく聞かないけど、どうしたの?」

 葬儀のベテラン、弟嫁の姉、M子ちゃん(61才)に聞くと、10年ほど前まで残っていたのだとか。

 いっせいに中止になったのは、「“まき銭拾い”の大人のプロ集団が、どこにでも現れるようになったんだよ」。

 大人数人がチームを組んで数千円のまき銭をかっさらう図は、まさに地獄絵図。さらに葬儀社の人から聞いてわが耳を疑ったのは、通夜・葬儀泥棒のこと。田舎では新聞の死亡欄に一般人が載る。みんな葬儀場に行く通夜と葬儀の日を調べ、空き巣狙いをするのだそう。

「何軒も被害にあっています。絶対に誰か留守番をしてください」と葬儀社は言うが、泥棒は「いるのかな~」と外から声をかけて返事がないとガラス戸を壊して押し入るのだ。

 こういう人は、「外道」だの「罰当たり」と言われても、「だから?」と聞き返すかも。

 そして四十九日の法要の後の食事会のシメは、喪主を務めた甥っ子の「父ちゃんが夢に出てきた話」。

「どんな様子だった?」

「夢だからはっきりとは言えないけど、落ち着いて見えたよ」

 それを聞いた私が、「冗談じゃないって。さんざん人に迷惑をかけて」と口火を切ったら、またまた弟の悪口大会。

 話題の中心にいたかった弟は、絶対喜んでいるはずだ。

※女性セブン2017年8月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
坂本勇人(左)を阿部慎之助監督は今後どう起用していくのか
《年俸5億円の代打要員・守備固めはいらない…》巨人・坂本勇人「不調の原因」はどこにあるのか 阿部監督に迫られる「坂本を使わない」の決断
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン