自分に合った漢方薬が見つかっても、効果を損なうのみ方をしてはもったいない。体にしっかり薬効成分を働かせるために注意すべきことは? お金の話と併せてチェックして。
Q:漢方薬は高い?
A:値段はさまざま。漢方薬には、生薬を煎じて作る「煎じ薬」と、煎じ薬からエキスを抽出して粉薬や錠剤にした「エキス製剤」、生薬を粉末にして、はちみつなどで固めた「丸剤」などがある。漢方薬によるが、1日当たり、煎じ薬は500~900円、エキス製剤の粉薬なら300~750円、錠剤で150~300円くらいが目安になる。
Q:保険は効くの?
A:保険適用のものがある。現在は、148処方(軟膏1処方)の漢方製剤が保険適用になっている。保険診療なら初診料と薬代を合わせて、2週間分が約3500円~が目安だ。漢方薬局で購入する場合は、保険適用外なので、2週間分で7000円~。自由診療による処方の場合は、初診料と薬代を合わせて、2週間分で約1万5000円~が目安。漢方薬を構成している生薬の種類によって価格は変わる。
Q:長くのみ続けないと効かないの?
A:すばやく効くものもある。風邪の治療に使われる葛根湯や桂枝湯は、発汗を促進して自然治癒力を高めて、早く治すタイプ。二日酔いに1時間ほどで効く五苓散なども、即効性のある漢方薬だ。一方、体質改善や慢性病の治療に使われる補中益気湯、六君子湯、更年期障害に使われる加味逍遥散などは、穏やかに働くのが特徴。少なくとも2週間以上のみ続けて。
Q:他の市販薬と一緒にのんでも大丈夫?
A:ほぼ大丈夫。漢方製剤の約7割に入っている甘草は、ナトリウムを取り込んでカリウムを排泄する働きがある。そのため、ナトリウムやカリウムを低下させる利尿剤と併用すると、作用が相殺されるため注意が必要だ。また、麻黄には、交感神経刺激作用があるエフェドリンが多いため、咳止めや風邪薬と併用すると、作用が強く出すぎて危険。迷ったら医師や薬剤師に相談を。
Q:苦くてのめない場合はどうすればいい?
A:エキス製剤なら、服薬用のゼリーに混ぜるといい。大さじ1杯程度のゼリーに漢方薬を混ぜると、においと苦みがマスキングされてのみやすくなる。オブラートに包んだ場合は、水に浮かべて2分ほど置くと、ゼリー状になり、つるんとのみこめる。
Q:食事の前にのまないと効かない?
A:気がついた時にのんで問題ない。漢方は食前または食間に服用することと、処方箋には書いてあるが、のみ忘れて1回飛ばすよりも、毎日のみ続けることが大切。気づいた時点や、食後にのんでも効果効能はほとんど変わらないので、忘れずにのんで。
撮影/森浩司
※女性セブン2017年8月10日号