宇都宮市の北部にある宇都宮動物園は『自然とどうぶつとこどもたち』がコンセプトのアットホームなテーマパーク。ここでライオンやキリンなど95種類の動物たちを束ねているのが、さんた園長だ。
「動物園に猫って、意外といないんだよね。だからぼくを見つけたお客さんは『わー、猫だ!』ってびっくりするみたい」
今でこそ“園長室”を持ち、にーにという愛妻もいるさんた園長だが、実際の年齢はわからないのだという。
「今から3年半前、ぼくはここにやってきた…というか、連れてこられたんだ」
平成25年12月25日の朝、出勤してきた園の職員が、門の前で段ボール箱を発見する。中は空っぽだったが、ガムテープには茶色い毛が数本ついていて、しばらくすると同じ色の猫が事務所を訪ねてきたという。
「クリスマスに来たから、さんたって名前をつけてもらって、そのまま園に就職。2か月くらい見習い期間があって、いきなり園長に就任したんだ」
得意げにヒゲをピンと伸ばす、さんた園長。しかし、大きな動物の鳴き声はちょっと怖くて、動物がいるエリアには足を踏み入れられないのだそうだ。
「ぼくの仕事は受付でお客さんと触れ合うことと、人間の園長の相談役。ときどき経営について話し合ったりもしているんだよ!」
【プロフィール】
名前:さんた ♂
年齢:不明(推定6~7歳)
種類:猫
勤務先:宇都宮動物園
職種:猫園長
主な仕事内容:お客さまのお出迎え、お見送り。園内パトロール(動物がいる場所を除く)。
お給料:朝夕のキャットフード(現在はダイエット用)。
好きなこと:食べることと、寝ること。
嫌いなこと:爪切り、目薬、お尻拭き。
現在の悩み:ダイエット中なので、キャットフードの量が少ないこと。
将来の夢:宇都宮動物園の会長に就任すること!!
■撮影/山口規子
※女性セブン2017年8月10日号