アラビア語で「王家のもの」という意味をもつモロヘイヤは、葉を刻むと粘りが出るのが特徴で、栄養価が非常に高い。名前の由来も、古代エジプトの王が病に臥せった際、モロヘイヤのスープを飲むと回復したからだと伝わる。
日本で栽培が行われるようになったのは1980年代で、栄養が豊富なことから、ブームとなった。特にβカロテンを多く含み、抗酸化作用によって風邪やがんの予防、アンチエイジング、視力の保持などに効果が期待できる。
また、食物繊維、カルシウム、ビタミンKも多く、高血圧予防によいとされるカリウムも含まれる。クセのない味わいはおひたしやスープ、和えものなど幅広い料理に使えるが、アクであるシュウ酸を含むため、一度ゆでて冷水にとってから調理した方がよい。
家庭料理研究家の松田美智子さんはモロヘイヤについてこう話す。
「モロヘイヤの優れた抗酸化作用は、私たち女性の強い味方。積極的に摂りたいものです。モロヘイヤは下ごしらえがすべて…といってもよく、あとはシンプルにいただくのがベスト。保存はおすすめしません。1束で2人分と考え、少なくとも下処理までは済ませておきましょう」
【モロヘイヤの準備】
モロヘイヤは葉と軸に分け、筋っぽく食べにくい軸は捨てる。鍋にたっぷりの湯を沸かして塩少量を加え、さっと湯通し感覚でゆで、必ず冷水にとって色止めをする。水気を軽く絞っておく。
◆モロヘイヤスープ
【1】モロヘイヤ1束は、【準備】を参考に下ごしらえする。トマト大1個は皮と芯を除いてざく切りにする。
【2】鍋ににんにくのみじん切り・オリーブ油各大さじ1を入れて中火にかける。香りが立ったらトマトを加えて炒め、チキンスープ3カップを加えて煮立てる。アクをすくい、白ワイン大さじ2を加えてさっと煮る。
【3】味をみて塩小さじ1、白こしょう少量で調味し、最後にほんの少しのしょうゆを加えて風味を立てる。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2017年8月17日号