もはや次世代ホープではない。“ポスト安倍晋三”の一人、小泉進次郎氏(36)は、どのような自民党再生案を描くのか。この7年、同氏を追い続けてきたノンフィクションライター・常井健一氏の膨大な取材メモに、その手がかりは残されていた。
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安倍と対照的な小泉が探るべくは「分断社会」とも言うべき時代状況における国民政党のあり方だろう。
「自民党を消去法の結果、選ばれる政党ではなく積極的に支持される政党に変えたい。アベノミクスの先にある時代の国作りを若い仲間たちと一緒に始める」
2014年末、小泉は第3次安倍内閣の発足直前というタイミングで「安倍後」を語り始め、2016年から週に1度ほど有志の30~40代議員を集めた。
その中で東京五輪後の20年以降を「日本の第2創業期」としつつ、シルバー民主主義的な風潮を改め、既存政治の恩恵を受けない層に光を当てる未来像を打ち出した。
小泉は2009年の初当選時から「党の若返り」を担い、多くの若手を国政に押し上げた。だが、彼らこそが「魔の2回生」と呼ばれ、失望を買っている。自浄能力の乏しい今の党ではその血を入れ替えるしか体質改善の手立てはない。それは前出の未来像で小泉が掲げた日本の処方箋とも重なる。