投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の7月31日~8月4日の動きを振り返りつつ、8月7日~8月10日の相場見通しを解説する。
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日経平均は小動き。日米決算発表が本格化するなか、週初は米アマゾン決算を嫌気した米ハイテク株安や北朝鮮の地政学リスク、為替市場での円高推移等を受けて、売りが先行した。週半ばは月初に伴うファンドの資金流入への思惑のほか、米アップルの好決算や日東電<6988>などの決算評価の動きもみられ、日経平均は20100円を回復する場面もみられた。しかし、米雇用統計を控えているほか、トヨタ自<7203>など主要企業の決算発表を控えていることも手控え要因となるなか、週末の日経平均は20000円にタッチすることが出来なかった。
今週は米雇用統計を受けた市場反応から始まるが、米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比18.3万人増と6月の22.2万人増から減速すると予想されている。また、賃金上昇率も前年比2.4%増と6月の2.5%増から減速するとのコンセンサスである。金利上昇要因になりづらく、為替市場での円高傾向が重しになることが考えられる。
また、今週はソフトバンクG<9984>の決算が予定されており、これが市場インパクトにつながるかが注目されるところ。一方で、米国ではロシアゲート問題への不透明感が根強いほか、国内でも内閣改造を行ったことで支持率が上向くかが注目される。日米政権不安が強まるようだと、相場全体の重しになる可能性がありそうだ。日経平均は20000円処でのもち合いが長期化してきており、戻り待ちの売り圧力が警戒されやすい。
先週はマザーズ先物の出来高増が話題となったが、中小型株の不安定な値動きにより、売り仕掛け的な動きも出ているとみられる。売り方優位の需給状況になりやすく、しばらくは不安定な相場展開を余儀なくされそうだ。まずは20000円-20200円のレンジ突破を見極めたいところである。