レモンサワーの誕生は昭和33年。当時、東京・中目黒にあった伝説の店、もつ焼き『ばん』が発祥といわれている。自らレモンをギューッと搾る昔ながらのスタイルも、レモンの風味豊かな新スタイルも、どちらも甲乙つけがたし。
「さぁ、飲みながら話しましょうか」。店主の小杉潔さんはいきなりレモンを搾り出した。元々、店主の兄が中目黒でやっていた『ばん』を畳み、2013年に祐天寺で開業した。
「当時はチュータンとかチューハイと呼ばれていました。うちの兄が、レモンとさわやかのサワで、レモンサワーだ! って言ったのが始まり」
早速レモンサワーを注文すると、三重県の焼酎『キンミヤ焼酎』と氷が入ったジョッキ、レモン1個、瓶入りの炭酸水がセットで出てきた。
「焼酎もレモンも嫌みがないでしょ。でもね、これが結構効くんですよ」とニヤリ。
ギュッギュッとレモンを搾ったジョッキに炭酸水を注ぐと、パチパチと弾け、フレッシュな香りが広がる。シンプルな味わい、この純粋さが染みる。気になる元祖のレモンサワーの作り方をご紹介!
「レモンをギューッとよく搾ります。1杯に半分使うのがいいかな。味は自分で調節してね」
「ここがポイント!」と小杉さん。
「最後に手で搾ると、香りが弾けておいしくなりますよ」
続いて、「1本で2杯分ありますからね」。ハイサワーでおなじみ博水社の瓶入り強炭酸水を注ぐ。
「割り箸でかきまぜましょう。ぐるぐる~。はい、これで完成。キンミヤ焼酎はさとうきびを使っているので、ほんのり甘くてレモンに合うよ。おいしいね~」
こんな補足情報も。「レモンの皮でこすると肌がすべすべになるから、ぜひやってみて」
店主にとってレモンサワーとは何かと尋ねると、「幸せ」。そう言ってまたレモンを搾り始めた。写真は搾ったレモン(108円)を重ねて作られた「レモンタワー」だ。
※女性セブン2017年8月17日号