坊主頭で涙ぐみながら、「生き恥を晒してでも、郷土のために役に立ちたい」──7月29日の謝罪会見で、中川俊直・衆院議員(47)はそう頭を下げた。
4月に『週刊新潮』で不倫問題を報じられてから、3か月以上経ってようやく開かれた会見。スキャンダルで経産政務官を辞任、自民党離党に追い込まれたものの、議員辞職はしないと改めて表明した。だが、頭を丸めての謝罪でも、支援者の怒りは収まりそうにない。
「今回のことで地元の女性たちはみんな“ありえん!”と怒っていますよ。もちろん次の選挙では支持しないし、推薦状も渡さない」
そう憤るのは中川氏の地元・広島で約2200の理容室が加盟する広島県理容生活衛生同業組合の理事・安芸支部長の岡本幸蔵氏だ。同組合は長年、自民党を支持してきたが、離党した「魔の2回生」を支援することはないという。理容室の組合だけに、坊主頭というにはやや頭頂部の髪に厚みを持たせたスタイルに対しても手厳しい。
「あんなのは丸刈りじゃないよ。お洒落なソフトモヒカンじゃないか。お詫びなんていうようには見えんかったね」(同前)
父である中川秀直・元官房長官から引き継いだ地盤も、スキャンダルと離党によって大きく揺らぐことになる。岡本氏が続ける。
「7月中旬に、中川さんがうちの店にきたんですよ。お詫びで来たっていっていたけれど、忙しかったから“もうええから”って帰ってもらいました」
信頼回復には、坊主頭の髪が伸びるよりも時間がかかりそうである。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号