警察署が“ドロボー”に入られたのだから、情けないことこの上ない。広島県警広島中央署で5月8日、会計課の金庫から詐欺事件の証拠品として保管されていた現金約8500万円が盗まれていることが発覚。あれから3か月──。犯人逮捕どころか、捜査の進展もまったく聞こえてこない。県警関係者はこう話す。
「発覚当初、警察関係者による内部犯行の線は濃厚とみられ、ある程度犯人の目星もついていると考えられていた。会計課長も『金庫の鍵を入れていた机の引き出しは、5月2日まで異常なかった』と説明していたので発覚前の約1週間について調べれば済むという話だった。それが後になって現金が最後に確認されたのは3月中旬で、『その頃にはすでに金庫の中は空っぽだったのでは』という説も出てきた。犯行時期さえ、特定できていない状態です」
まさかの迷宮入りまで囁かれる現状には、地元記者も呆れる。
「広島県警は他県と比べても記者に対して開かれた県警でしたが、この事件に関してはまったく口を開かない。幹部の夜回りをするクラブの記者の間では、“情報を出さないのではなく出せないだけだろう”と言われています。唯一の新しい話といえば、捜査の進展ではなく、『再発防止のために防犯カメラを増やす』ということくらいです」
改めて、広島中央署に捜査の進展について尋ねると、「お伝えできるようなことは現在ないです」(副署長)と回答。“再発防止策”の防犯カメラについては、
「もともと署内には防犯カメラはあって、新しく設置するということになってはいるが、まだ設置されていない」(同前)
と、こちらも進展がない様子。事件解決への道は遠そうだ。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号