「君子豹変ということです」。安倍首相の“天敵”だったはずの野田聖子代議士(56才)が、総務相としてサプライズ入閣した。彼女は会見で安倍首相を「君子」とワザワザ持ち上げて、「彼が心を入れ替えたから、支えるつもりになった」と入閣の理由を“強気”に説明した。自民党関係者が言う。
「支持率が落ちていたので、安倍首相が“脱オトモダチ内閣”をアピールするために、野田さんを目玉閣僚に抜擢しようと熱心に口説いていたのは知っていましたが、まさか“安倍嫌い”を貫いてきた野田さんが本当にそれを受け入れるとは…」
史上最年少(当時)の37才で郵政相になり、「初の女性総理候補」として注目されてきた野田氏。しかし、近年は、「反安倍」の急先鋒として世間から注目されるかわりに、党内では冷や飯状態だった。
「野田さんは来年9月に行われる自民党総裁選で“反安倍票”をまとめて立候補し、首相を目指すつもりでした。ところが、今回の内閣改造で、岸田文雄政調会長(60才)が“次の首相レース”の一番手に躍り出たことがはっきりしました。岸田さんはすでに党の重鎮や大きな派閥の支持を得ているので、野田さんが逆転することはかなり難しくなりました。野田さんはしょうがなく狙いを“次の次”に切り替えて、総務相を受けたんでしょう。“もう安倍さんと対立しても意味ないわ”というところでしょうね」(永田町関係者)
党内でも孤立気味の野田氏なのだが、強い味方がいる。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの小池百合子東京都知事(65才)だ。
「安倍首相にとって、本来なら、跳ね返り者の野田さんを入閣させる筋合いはありません。でも、小池さんを敵に回したくないので、小池さんと親しい野田さんを取り込もうとしたのでしょう。安倍首相は“小池を敵に回すな”と党内に指令を出すほど小池さんを恐れているので、あわよくば野田さんがパイプ役になってくれることも期待しています」(政治部記者)
「女性初の総理」を目指すライバルの野田氏と小池氏だが、女性議員としての苦労も共感するところが多かったのか、意外に意気投合。野田氏は小池氏を“百合姉(ゆりねえ)”と呼んで慕っていて、野田氏が2年前に総裁選に立候補した時には小池氏が支持に回り、昨年7月の都知事選では、野田氏が党本部の意向に逆らってまで小池氏を応援したほどだった。
永田町の「女の友情」は党をも超えるようだ。
※女性セブン2017年8月24・31日号