夏の高校野球は連日、熱戦が続いているが、もう甲子園でその姿を見ることができないのが桑田真澄、清原和博ら多数のプロ野球選手を輩出したPL学園だ。同校の硬式野球部は昨夏で休部に追い込まれた。ただ、この夏、PL学園の「もう一つの野球部」が全国への切符を掴んだのだ。『永遠のPL学園 六〇年目のゲームセット』著者の柳川悠二氏がレポートする。
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PL学園の硬式野球部が活動を休止して、はや1年が経過した。今年の3月には日本高等学校野球連盟に「脱退届」を提出して事実上の廃部となり、もはや影も形もなくなってしまった。
アーチ状に「PL GAKUEN」の文字が2列に並んだあのユニフォームも、「PL」の2文字が組み合わさったロゴマークの帽子も、もう二度と目にすることはない……かと思いきや、そんなことはないのである。
今夏の甲子園大会の組み合わせ抽選会が行われた8月4日、私は大阪の住之江公園野球場に向かった。春夏通算7度の甲子園制覇を誇る野球部と全く同じユニフォームを着て、同じ帽子をかぶった“軟式”野球部が、全国大会への出場権を賭け、興国高校と大阪大会決勝を戦うのである。
PL学園の軟式野球部も強豪として知られ、甲子園大会の直後(8月24日~)に兵庫県の明石トーカロ球場で開催される全国高等学校軟式野球選手権大会にこれまで10度出場している。