国内

都議会のドン・内田茂氏 引退後も事務所を構え続ける理由

内田茂氏は「都議会のドン」と呼ばれた(写真:時事通信フォト)

「都議会のドン」はどこへ消えたのか? かつて自民党都連の幹事長として長きにわたって権勢を振るった内田茂氏(78)のことである。

 2月の千代田区長選で大敗の責任を取り引退。その後、氏の後釜として千代田区から都議選に出馬した中村彩氏(27)もあえなく落選した。小池百合子・都知事の「都民ファースト旋風」によって内田・自民王国が完全に崩壊してしまったと強く印象づけた。

 中村氏の選挙事務所で「敗戦の弁」を語ってからというもの、表舞台から完全に姿を消してしまった感のある内田氏。彼は今、何をしているのか。支持者のひとりがいう。

「最近の内田さんはかつての凄味のある表情と打って変わって、ニコニコと笑顔でいることが多い。“古い政治の象徴”と小池さんにレッテルを貼られてマスコミから叩かれていた辛い時期が過ぎて、ホッとしているからかもしれません。

 ただ、あの人は“政治への思い”をまだまだ捨てていない。後継の都連幹事長である高島直樹・都議とは密に連絡を取っているし、今も地元の事務所を閉めずに秘書を置き続けている」

 別の支持者は、内田氏の暗躍について「次の都議選を見据えてのことに違いない」と分析する。え? また出るの!?

「内田さん本人ではなく、娘婿で千代田区議の内田直之さんが、4年後の都議選に千代田区から出馬すると専らの噂なんです。選挙は振り子のようなもので、次は自民党に風が吹くことも大いにある。いまだに公明党とも太いパイプを持っているし、他党から有力議員を引き抜いたりという寝技が内田さんの真骨頂。きっと老獪な“ドン”の手腕が求められる日は来る。心配は年齢と持病の糖尿病だけですよ」

 57議席から23議席へ半分以上も都議を減らし、“第3党”となってしまった自民党都連。内田氏が小池氏に雪辱を果たす日は来るのだろうか。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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