名古屋場所で歴代最多を更新する39回目の優勝を果たした横綱・白鵬(32)が、千秋楽から一夜明けた会見で語った言葉は、これから数年の“激動期”を見通す上で、大きな意味を持つ。
「やっぱり、東京五輪の開会式では横綱の土俵入りをしたい。4横綱いますから、露払いや太刀持ちも横綱が務めれば……。その日が来ることを願って、自分がしっかりしなければ」
少なくとも、3年後まで綱を張る意思を表明したのだ。場所中には「日本国籍取得を決意」と報じられ、一代年寄を取得しての〈白鵬部屋〉の立ち上げへの道筋も見えてきた。伊勢ヶ濱一門のある親方はこう語る。
「白鵬部屋は、白鵬がいま所属する宮城野部屋を逆に傘下に収めるかたちで立ち上げられるのではないか。白鵬はすでに宮城野部屋のなかに4人の内弟子(将来部屋を立ち上げた時の弟子)を抱えている。
新しい部屋をゼロから興そうとすれば用地や建築費など10億円近い資金が必要。現在の師匠・宮城野親方が2022年に65歳定年を迎えることを考えると、東京五輪後のタイミングで部屋の“看板”を白鵬部屋に掛け替えることで、よりスムーズに白鵬が一大勢力を築けるはず」
すでに、関係者は3年後を見据えて動き出している。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号