オシャレな写真を楽しめると女性人気が高いSNSのInstagram(インスタグラム、通称インスタ)は、アカウントに鍵をかけて限定公開にすることができる。認めた人以外からは投稿内容を見られない鍵付きアカウント、通称「鍵垢」(カギアカ)だ。ユーザーはなぜ鍵をかけるのか。鍵アカウントの実態はどうなっているのか。さらに、鍵アカウントで投稿してもアカウントの存在が周囲にばれてしまったり、投稿が流出することはあるのかについて、ITジャーナリストの高橋暁子氏が解説する。
* * *
Instagramは、基本的に世界中の人達が投稿を見ることができるようになっている。しかし、「非公開アカウント」機能をオンにするとプロフィールに鍵マークが表示され、投稿を閲覧できる相手を自分が承認した人に限定できるようになる。このように鍵をかけたアカウントを、鍵垢(カギアカ)と呼ぶ。
AKB48の渡辺麻友さんと見られる鍵をかけた裏アカウントが流出して話題となったことがあるが、鍵垢の存在がバレてしまったり、投稿が外部から見られてしまうリスクはないのだろうか。鍵垢の実態と危険性について見ていこう。
●「言いたいけれど言えない秘密を知らせたい」
「友だちだけと思うと安心して公開できるから」と、主婦のA子さんは鍵垢にしている理由を語る。A子さんは、Instagramで姑への愚痴を投稿しまくっているという。個人情報漏洩や炎上などを過度に恐れて鍵をかけているユーザーもいるが、基本的には知っている人のみに伝えたいと考えてのことが多いのだ。
「鍵をかけている人は、愚痴やネガティブなことを投稿していることが多い。中には、片思いや不倫などのプライベートなことを投稿している人も」(A子さん)。つまり親しい人の間のグループLINE、或いは非公開SNSのように使われているのだ。A子さんの友だちの主婦には、若い恋人との不倫デート写真をInstagramに投稿している人もいるという。
鍵垢で投稿されるものは、公開が限定されているという気の緩みから、過激になりやすい傾向にあるようだ。特にInstagramでは流出すると問題のある写真も気軽に投稿されてしまう。また、コメントのやり取りも本音ばかりでかなり過激化しているという。
●鍵垢でも投稿が流出する可能性も
Instagramアカウントに鍵をかけると、承認したフォロワー以外には、投稿した写真、フォロワー・フォロー先が見られなくなる。では、鍵をかけていてもアカウントの存在が外部にバレてしまったり、フォロワー以外に投稿が見られてしまうことはあるのだろうか。
実は、アカウントの存在を見つけることはそれほど難しいことではない。鍵をかけていても、アカウント名やプロフィール写真などは公開されているからだ。アカウント名に本名やニックネームなどを使っていたり、顔写真を登録していた場合、アカウントが見つかってしまう可能性がある。また交友関係がわかっていれば、親しい人のフォロワーから見つかってしまうこともあるのだ。