2017年8月8日の「お気持ち」表明からちょうど1年。天皇陛下の退位は2018年末か2019年3月31日のどちらかで検討が進められている。9月中には最終決定される予定だが、どちらになろうとも、両陛下が「天皇と皇后」として終戦記念日を迎えられるのは、今年と来年の2回しかない。それ以降は、皇太子さまと雅子さまが新たな天皇皇后として、全国戦没者追悼式の壇上に立たれることになる。
着実にご快復のステップを進まれている一方、長期療養中にあって公務にお出ましになれない状況が続く雅子さまに寄せられる心配は尽きない。さらに、こと戦争に関しては、こんな不安の声が聞こえてくるのだ。
「雅子さまは、両陛下や他の皇族方と比べて戦争に向き合われるお気持ちが薄いのではないか」
結論からいってしまえば、そのようなことはない。
「皇太子さまは、幼少の頃に疎開を体験された両陛下から戦争の悲惨さをしっかりと教えられてきました。戦後70年の節目だった2015年の誕生日会見でも、“戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています”と述べられました。そのお気持ちは、雅子さまにも、愛子さまにもしっかりと伝わっています。また、陛下が掲げられた“4つの日”にも、必ず家族お揃いで黙祷を捧げられています」(宮内庁関係者)
2015年7月、愛子さまはご夫妻と昭和館(千代田区)に足を運ばれ、戦後70年の特別企画展をご覧になった。愛子さまにとって、初めての戦争関連施設の訪問だった。
「真剣なまなざしで展示をご覧になり、お帰りになってからもご家族で戦争について話し合われる時間をお取りになったそうです。愛子さまは昨年5月に学習院女子中等科の修学旅行で広島の原爆ドームに足を運ばれました。そのときにも、71年後の爆心地でお感じになった率直なお気持ちをご両親とお話しになったといいます」(前出・宮内庁関係者)
それではなぜ、雅子さまばかりが「お気持ちが見えない」という波風に晒されるのだろうか。1つの大きな要因は、過去に「終戦記念日をないがしろにしている」と捉えられかねない報道があったことだ。
2005年、那須御用邸での静養中に、ご一家でテニスや花火大会を楽しまれたことが伝えられた。2007年には、東宮御所に愛子さまがお友達を招かれていたことがわかり、「せめてこの日だけはお控えになるべきだったのではないか」と批判の声が集まった。