全盛期の力を失ったら、あとは土俵を去るだけ──ガチンコ力士たちが幕内上位に顔を揃え、角界の“実力主義”はどんどん厳しくなっている。では、名古屋場所後に横綱・白鵬が目標に掲げた「東京五輪での土俵入り」の頃には、どんな面々が土俵上で躍動しているのか。
大胆な予想を披露したのは芥川賞作家の高橋三千綱氏である。多彩な技で土俵を盛り上げる小兵力士・宇良(25、前頭4)と東農大出身の学士力士・正代(25、前頭1)を東西両横綱に指名した。高橋氏が語る。
「白鵬(32)、稀勢の里(31)ら現在の4横綱は2020年には引退しているでしょう。宇良は174cm、137kgの体格ですが、3年後には177cmの小兵ながら“マムシ”の異名を取って一時代を築いた元横綱・栃錦(故・春日野理事長)みたいな力士になってほしい。正代は立ち合いでアゴが上がるのが欠点と指摘されていますが、むしろ正々堂々とした立ち合いで横綱相撲と呼ぶに相応しく、白鵬に見習ってほしいくらい。3年あれば大化けしますよ」
日馬富士(33)と鶴竜(31)の2横綱が引退し、代わりに高安(27、大関)が昇進を果たす3横綱時代と予想した杉山邦博氏(元NHKアナウンサー)も、正代への期待は高い。「立ち合いでの悪いクセさえ矯正されれば、横綱になっていておかしくない」と評価してみせた。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号