日常生活の中で何気なく行なっている習慣は、老後の健康に大いに影響してくることがある。立ったままの放尿は男の特権だが、血圧を上げるリスクがある。
「立ち小便をする時は尿を前方に飛ばすため腹圧がかかり、血圧を急上昇させる怖れがある。
一方、座って用を足すなら腹圧はほとんどかからない。特に高血圧の心配がある高齢者は、突然の脳卒中や心筋梗塞などを防ぐためにも座って放尿するほうが良いでしょう」(イシハラクリニック院長の石原結實医師)
そして、「老眼で新聞や雑誌が見にくい」──65歳オーバー共通の悩みだろう。いまや老眼鏡はコンビニや100円ショップなどでも手軽に入手できる。しかし既製品の老眼鏡は、かえって疲れ目を招いてしまうことがある。
既製品が左右同じように作られている一方、人によって老眼の状態は様々で、左右の視力が違うことが多いからだ。多少値は張るが、レンズから選んで自分専用の老眼鏡を作ることが望ましい。
また、米国耳鼻咽喉科・頭頚部外科学会が発表した臨床診療ガイドラインによると、頻繁な耳掃除は皮膚が薄い外耳道を刺激して外耳炎などの感染症を引き起こし、耳垢が蓄積する可能性を高める。
通常、耳垢は外耳道の働きで自然に排出されるが、高齢者は自浄作用の低下により耳垢がたまりやすい。それでも綿棒で耳の入り口1cm程度の部分を軽くぬぐう程度で十分だ。耳かきや綿棒を深く耳に入れると、耳垢を奥に追いやり難聴を招くケースもあるので注意が必要だ。