丈夫な体を作るには栄養バランスのとれた食事が欠かせない。健康志向の高まりにより様々な情報があふれる中、多くの誤解も広まっている。
年齢を重ねると「脂っこい肉はよくない」と考えがちだが、それは間違いだ。米・南カリフォルニア大学のバルター・ロンゴ教授らが行なった50歳以上の男女6381人対象の調査(2014年)では、たんぱく質の摂取量によって「高」「中」「低」の群に分け、50~65歳と65歳以上のグループを比較している。
それによれば、50~65歳では「高」群の死亡率が「低」群より74%高いが、65歳を過ぎると「高」群が他の群より死亡率が低かったのだ。抗加齢医学の第一人者で、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二医師がこう解説する。
「この調査は血清中のたんぱく質の濃度を測るアルブミン値で比較したデータです。70~80歳の高齢者を診ると、アルブミン値が低い方は多い。高齢者は、肉を始めとする魚、鶏卵、大豆などのタンパク質をバランス良く摂ることが大切です」
※週刊ポスト2017年8月18・25日号