放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、天然ぶりがすごすぎるフジの久代萌美アナをレコメンド。
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「私、天然なんです」とは、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系・94年〜?年)で延べ数万人もの女性をオーディション審査していた頃、もっとも耳にした”自己紹介“だった。
自分で「天然」と分析できる人は真の天然でないのは周知の事実だが、見た目がキレイな女性ほど、このフレーズを口にしたものだ。「美人だけれど、お高くとまっているワケではない」「こう見えて、おもしろエピソードがたくさんありますよ」というアピールだったのだろうけれど、話を聞いてみると、案の定、期待外れだったことが多かったと記憶する。
その時代、女性タレントや女優を評する際にも多用された「天然」なるワードを久々に使いたくなった女子アナがいる。フジテレビの久代萌美アナである。
私が毎週欠かさず見ている久代アナの出演番組は『さんまのお笑い向上委員会』と『新週刊フジテレビ批評』だ。
『さんまの〜』は、上手のヒナ壇に「委員会メンバー」として今田耕司、ネプチューン堀内健、雨上がり決死隊、中川家ら人気芸人が10名ほど並び、下手には「ゲスト向上芸人」がやってくる。
さらに、平野ノラ、サンシャイン池崎、みやぞんら、いまをときめく若手芸人を輩出した「モニター横」にも注目が集まる。
そんな『〜向上委員会』において、久代アナはセンターで進行役を務めている。と言っても、彼女のメインの仕事は「○○(芸人名)よ、□□はやめろ」といった、ゲスト芸人へのクレームを読み上げることで、あとは、もっぱらリアクション。そして見ていると、彼女の“笑いの沸点”は、とても高いのである。
その対極にいるのが『めざましテレビ』の女子アナ軍団で、彼女たちは、三宅正治アナの大して面白くないおじさんギャグや軽部真一アナのボケに、宮司愛海アナ以外、手を叩いて大笑いするのである(宮司アナの“笑い”に対しての厳しさについては、またの機会に書かせていただく)。この様は、同局の女性局員にとても不評で、「キャバクラみたいなので、やめてほしい」とバッサリ斬っていたベテラン局員もいるほどだ。
だが、久代アナは、付き合いで笑うことがめったになく、芸人たちの度を越した下ネタについても苦笑いを浮かべる程度。同じく、さんまさんの冠番組『ホンマでっか!?TV』の加藤綾子アナとも大違いなのである。