ホワイトハウスを長くウォッチしてきたジャーナリストの落合信彦氏はいま、支持率が急落を始めたトランプ政権に関して悲観的なスタンスをとっている。
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トランプの支持率低下を決定的にしたのは、“ロシアゲート疑惑”の闇が想像以上に深かったことだ。
最近になって、長男のドナルド・トランプ・ジュニアが大統領選中、クリントンのネガティブ情報の提供を約束されて、ロシア政府とごく近い女性弁護士のナタリア・ベセルニツカヤと会っていた疑惑が浮上した。しかも、会ったのはニューヨークのトランプ・タワー。大統領の娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーに加え、元ソ連軍に所属していた諜報員が同席していたことが報じられている。
さらに、ロシアと深い関係にあった諜報員らが、2人のトランプ側近と接触していたことも報じられている。その1人は元外交顧問のカーター・ペイジ、もう1人は元選対本部長のポール・マナフォートだ。2人はロシア側との度重なる接触などがあったという。
共謀疑惑との関係は不明ながら、政権入りしたクシュナーや側近で司法長官のジェフ・セッションズも、昨年の選挙戦中にロシア駐米大使セルゲイ・キスリャクらロシア関係者と話していたことが分かっている。クシュナー、マナフォートの2人はジュニアとロシア人弁護士との面会にも同席しており、ロシア側との頻繁な接触が今回あらためて裏付けられた。
ロバート・モラー特別検察官はジュニアからも事情を聞く方針だと伝えた。民主党の上院院内総務、チャック・シューマーもジュニアを議会証言に立たせるべきだと述べるなどしている。要は、トランプは「ロシアの息のかかった大統領」なのである。