連日熱戦が繰り広げられる第99回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)。爽やかな球児の姿とは対照的に、この一大イベントは大金の動くビッグビジネスでもある。宮本勝浩・関西大学名誉教授は今大会の経済効果を350億8080万円と試算しているほど。ただし、遠征費用やら応援団のバス代など、多額のカネがかかり「甲子園貧乏」に陥る高校もある。
甲子園を巡るビジネスは悲喜こもごもだが、どう転んでもホクホクなのが高野連だ。昨年の大会収支によれば、入場料収入は約4億5170万円。開催経費など支出は約3億5634万円で、9536万円以上の剰余金があった。
早稲田実業のスター、清宮幸太郎が出場した一昨年は剰余金約1億923万円で、毎年1億円程度の“利益”が上がる計算だ。
「夏の甲子園の収益だけに限らず、剰余金は各事業費、振興費に回され、内部留保は増え続けている。高野連は14億円以上の資産を持つ超優良法人。今年は清宮不在もあり集客は低調が予想されるが、そんなことではビクともしない」(全国紙記者)
深紅の優勝旗が巡るたび“胴元”には1億円が転がり込んでいるというわけだ。
※週刊ポスト2017年9月1日号