安倍晋三・首相は毎年夏に地元・山口にお国入りして英気を養ってきた。首相返り咲き1年目の2013年には萩市の吉田松陰の墓に参り、「『間違いのない正しい判断をしていく』と誓いを新たにした」と政権運営に自信をのぞかせ、翌2014年には下関市の高杉晋作の墓に献花し、「まさに志が定まった感じだ」と強く語った。
日露首脳会談を控えた昨年夏には実弟の岸信夫・外務副大臣とともに田布施町の祖父・岸信介元首相の墓参り。「安倍外交の強化のために副大臣になってもらった」と兄弟で領土交渉にあたる決意を示した。
ところが、今年は8月11日に山口入りすると父・晋太郎氏の墓参りを行ない、さらに岩国市、下関市など40軒近い支持者宅を次々に訪問して仏壇に手を合わせたのである。
「安倍さんはこれが現職首相として最後のお国入りになるかもしれないと考えて、世話になった支援者宅にお盆参りしたんじゃないか」
地元ではそんな受け止め方までなされている。
※週刊ポスト2017年9月1日号