芸能

村井國夫 同期の友人たちが、僕を奮い立たせてくれる

村井國夫が自らの若き頃を語る

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優座養成所を卒業し、映画に出ながら自由劇場に所属した頃のこと、活躍の場をテレビへと移したのち、再び舞台に出るようになった経緯について、村井國夫が語った言葉を紹介する。

 * * *
 村井國夫は1966年に俳優座養成所を卒業した後、東映の映画に出る一方で、養成所の先輩・斎藤憐、佐藤信、串田和美の劇団・自由劇場に所属した。

「映画に出たての頃の演技は正直言って酷かったですね。舞台しかしたことがなかったので、芝居が大きいんですよ。何かを演じなきゃという気持ちが強かったんでしょう。でも、それは画面から外れる演技なんです。

 映画やテレビは、そこに存在すればいい。その頃の東映だと鶴田浩二さんに若山富三郎さんに佐久間良子さんがいましたが、皆さん本当にナチュラルな演技をなさっていて。ぼうっとしている間に時間が過ぎていました。

 最初、東映とは専属契約という話もありましたが、本数契約にしてもらいました。芝居をやりたかったですから。その頃は生意気で、映画より芝居だと思っていたんですね。自由劇場は、僕が養成所を卒業する前に作られたのですが、ぜひ一緒にやらせていただきたいと参加しました。借金して照明器具を買うような状況でしたが、僕は映画にも出ていましたから、そこで多少の金はもらえていました。

 当時はアンダーグラウンドが一つのブームでもあったんですね。狭い小屋でしたが、お客さんがたくさん観にいらして、一種のマグマみたいなものがありました。僕も、その中にいることに興奮を覚えました。21歳の若造でしたから、そのテンションの中で芝居することに酔っていたのかもしれません」

 1970年代から1980年代にかけては、テレビドラマや時代劇の悪役として活躍した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン