投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の8月21日~8月25日の動きを振り返りつつ、8月28日~9月1日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均はこう着。トランプ米大統領は、政府機関を閉鎖してでもメキシコ国境との壁は造ると明言。米国の財政運営への懸念が上値の重しとなった。また、カンザスシティ連銀が24日から開く経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)を控え、ECBのドラギ総裁、米イエレンFRB議長の講演内容を見極めたいとする模様眺めムードが強まった。北朝鮮を巡る地政学リスクについては、米国防総省は米軍と韓国軍が定例の合同軍事演習を21日から実施するなか、不安要因となった。
ジャクソンホール会合については、ドラギ総裁が金融政策に関する新たなメッセージを発することはない見通しとも伝えられているほか、米イエレン議長については利上げ時期には踏み込まないのがメーンシナリオであり、サプライズは無さそうだ。イベント通過によるアク抜けを意識した物色が期待される。
しかし、9月末に向けては、米国の財政運営への懸念がリスク要因になるだろう。また、今週は米雇用統計が控えている。週半ばに発表されるADP雇用統計の結果等で思惑が高まりやすく、為替相場等に影響を与えそうだ。米経済指標や金融政策、政権運営への不透明感など、米国睨みのなか、物色は個人主体の中小型株にシフトしやすいだろう。