「国政を揺るがす両問題を最初に報じた後、関連各省の記録文書の存在などを報道し続けた」──。7月、日本ジャーナリスト会議(JCJ)は朝日新聞の「『森友学園』への国有地売却と『加計学園』獣医学部新設問題を巡るスクープと一連の報道」を今年のJCJ大賞に選出した。ところが、そんな名誉ある朝日の“ジャーナリスト精神”の斬り込み方は、取材対象組織の“体質”によって温度差があるように見える。
「国家戦略特区」を適用させるという手法で、52年ぶりの獣医学部新設を進めている加計学園をめぐっては、その認可過程での「加計ありき」疑惑で、長く一強を続けた安倍政権を揺るがす問題に発展した。
その加計学園より一足早く、国家戦略特区で医学部新設が認められ、この4月に開校したのが、国際医療福祉大学成田校だ。
1995年に設立された国際医療福祉大(以下、国福大)は、看護学部や保健医療学部などを有していたが、成田市と共同で、2013年9月に国家戦略特区として国際医療学園都市構想を提案。2016年8月に、文部科学大臣が新設を認可し、開校に至っている。なお、医学部の新設は、東日本大震災の復興支援の特例により2017年開校された東北医科薬科大学医学部を除けば、38年ぶりとなる。実はこの認可のプロセスにも、疑問が呈されている。
◆ずいぶん大人しい?
民進党の「加計学園疑惑調査チーム」座長の桜井充参院議員はこう言う。