まだまだ台風が到来する季節が続く。そんな時期は、特に天気予報は正しく読んでいきたいものですね。
「台風の中心が円のどこかに70%の確率で進むことを表したのが『予報円』です」
と語るのは、気象予報士の蓬莱大介さんだ。つまり30%の確率で円の外に動く可能性があるため、油断はできない。
「台風の予報は5日後まで発表されますが、先の予報ほどブレ幅が大きくなるので円がどんどん大きくなっています。台風自体が大きくなるという意味ではありません。台風が日本から遠ければ、気象庁が天気予報を発表する5時、11時、17時に台風情報も更新されます。日本に近づくと1時間おきに発表するので、こまめにチェックしましょう」(蓬莱さん、以下同)
また、蓬莱さんは「テレビやラジオなど気象予報士の解説を聞いてほしい」と言う。
「東京に“傘マーク”がついていたとしても、マークだけではどのくらいの強さの雨が降るかわかりません。また、“降水確率100%”でも、弱い雨のこともあれば、強い雨のこともある。解説ではそういったところを補って、“雷を伴った激しい雨”“弱い雨”“にわか雨程度”といったふうに詳細を伝えています。マークだけでなく、気象予報士のコメントをぜひ活用していただきたいですね」
また、警報と注意報はいったい何種類あるのだろうか。
気象庁が発令するのは「注意報」、「警報」、「特別警報」の3種類。何らかの災害が起こる恐れがあるときは「注意報」、命にかかわる災害の恐れがあるときは「警報」、「警報」の基準をはるかに超えた“50年に1度レベル”の大雨などで出るのが「特別警報」だ。
蓬莱さんは特別警報を待つのではなく「警報が出た時点で身の安全を意識してほしい」と話す。
「過去の災害を参考にして、同じレベルの大雨などで実際に人が亡くなっている時に出るのが『警報』です。『特別警報』が出た時点ではすでに命がけの状況。避難所に行くのがむしろ危険な場合は高い建物に逃げるなど、命を守る行動をとりましょう。また自然のレジャーに出かけるときは、雷注意報にも気をつけた方がいいですね」
毎年のようにテレビなどで「50年に1度の大雨」と伝えられているが、これは「“その地域で”50年に1度レベルの大雨になっている」ということ。毎年各地でそのような雨が降っているということは、異常気象といっても過言ではない。「50年に1度の大雨」という情報が出た地域は、災害が差し迫っているという意味なので、決して楽観視せずに情報収集しよう。
※女性セブン2017年9月14日号