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否定された赤ワイン健康法、1990年代に広まった理由

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 かつて赤ワインは健康に良いという説が爆発的に広まったことがあり、ワインブームをもたらした。現在では、それは言われるほど効果があるものではないとわかっているが、いまだに信じている人は少なくない。今でも信じたくなる人がいるほど、赤ワイン健康法が広まったのはなぜなのか、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が解説する。

 * * *
「フレンチ・パラドクス」というのをご存じだろうか。「脂質をたくさん食べる習慣があるフランス人は、なぜか心臓血管系の病気になりにくい」というものだ。この逆説を説明する理由として脚光を浴びたのが、赤ワインだった。赤ワインに含まれるポリフェノールの一種レスベラトロールの作用が、脂質の多い食事をとっているフランス人の死亡率を下げているというのだ。

 この説がメディアで紹介されると、赤ワインが爆発的に売れた。1990年代後半、日本でも赤ワイン健康法が広がり、今もそれを信じている人も多いだろう。しかし、その後、この説は否定された。レスベラトロールには抗酸化作用がある。これは間違いではない。しかし、死亡リスクを下げるほどの効果はなかった。ジョンズ・ホプキンス大学の研究で、赤ワインを飲んでも死亡率は低下せず、心臓病やがんの死亡率の低下も見られないことがわかったのだ。

 それにしても、なぜ爆発的な赤ワインブームが起きたのだろうか。それは、それぞれの思惑があった。

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