朝起こしてくれるのはママ。洋服を選ぶのもママ。お弁当を作るのも、駅までの送り迎えもママ。進路を考えるのも――現在放送中のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は、母親に過保護に育てられた女子大生が、恋や友情、就職活動で壁にぶつかり、自立へ向け奮闘するストーリーだ。ドラマの通り、周りの見えない母親が過保護になりがち。
しかし、ひと口に「過保護ママ」といっても、2つのタイプに分類できる。1つ目が、しっかり者の『完璧主義ママ』タイプ。『過保護のカホコ』で母役を演じる黒木瞳(56才)は、プライベートでも娘の学校生活に何かと口を出してしまいがちなこのタイプだ。
最近ひとり暮らしを始めた30才の会社員・Mさんは、毎週実家から送られてくる大量のお総菜に困惑している。
「元管理栄養士の母は、実家で毎日3食、8種類以上のおかずを用意していました。当然、カップ麺なんて絶対NG。でもその反動で、ひとり暮らしを始めてからカップ麺の味にハマってしまって。一度母親が家に突然来たとき、空いた容器を見られてしまったんです。当然怒り狂いました。
それ以来、大量のお総菜を冷凍して送ってくるので冷凍庫がパンパンになってしまって。“もう入らないよ”と言ったら、次は冷凍庫を送ってきたんです。自分の思い通りにしてくれないと気が済まないようで…」
2つ目が『子供溺愛』タイプ。『過保護のカホコ』で祖母役の三田佳子(75才)はこの典型だろう。35才のKさんは半年ほど前、結婚直前にして彼女にフラれてしまった。
「ぼくが社会人になっても、毎晩次の日に着ていくスーツや靴下を前夜のうちに準備し、ワイシャツには丁寧にアイロン。しかもすぐにはけるようにとパンツにベルトまで通して置いておく念の入れ様です。
彼女には必死にそのことは隠してきましたが、結婚指輪を母が勝手に選んで買ってきてから雲行きが怪しくなり、“新婚旅行に自分もついていく”と言い出してから、彼女は去っていきました」
そうした母親の過保護は子供の成長にどんな影響を及ぼすのだろうか。親子関係カウンセラーの川島崇照さんが解説する。
「子供は親に頼りきって生きるようになることがあるので、壁にぶつかっても乗り越えられず、ストレス耐性も低いのですぐ諦める子に育つ傾向があります。また、モラハラ加害者になる可能性も少なくない。これまで他人とけんかしても親が“あなたは悪くない”と言ってくれていたというケースも多々あるので、反省したり相手の気持ちを考えるという発想がもてないこともしばしばです。結婚できたとしても、相手に合わせられないので長続きは難しいでしょう」
※女性セブン2017年9月14日号