「ツナ缶の原材料は、本来まぐろなんですが、最近の主流は“かつお”なんですよ」。
こう話すのは、100種類以上のツナ缶を食べ比べてきた版元ひとりさん。
「元々は市場で商品価値の低かったびんながまぐろを使っていましたが、まぐろの高騰などにより、かつおが広まった。まぐろは淡白であっさり、かつおは魚の味わいが濃い。PB商品や特売品はかつおが多いです」(版元ひとりさん)。
「魚の良質な油やたんぱく質が詰まったツナ缶は、旨みも栄養もたっぷり。炒め物や和え物には、フレークやチャンク、煮物にはソリッドを使うと食感も楽しめるなど、形状や味付けで使い分けると、より美味しく仕上がりますよ」と、ツナ缶を愛する管理栄養士の今泉さんも語る。
主なツナ缶の種類を解説しよう。
■ソリッド:ブロックとも呼ばれる。身がそのまま入っているため、煮物など食感を残したい料理に。
【原材料】びんながまぐろ
まぐろの中では小型で、胸びれが長いのが特徴。身は白く淡白。ツナ缶の中では最高級。
【調理法】油漬け
綿実油や大豆油が多い。最近はオリーブオイルも人気。野菜エキスなど旨みを加えた商品も。
■チャンク:粗めにほぐしたタイプ。パスタやサラダなど食感を楽しみたい料理に向く。
【原材料】きはだまぐろ
まぐろの中では大型で、体が黄色味を帯びているのが特徴。まぐろの漁獲量トップ。
【調理法】水煮
油を使用していないタイプ。魚のエキスや塩を加えたものと、水のみのものがある。
■フレーク:細かく身がほぐされていて、どんな料理にも使える。一番流通量が多いのがこのタイプ。
【原材料】かつお
まぐろより小型で、腹部に数本、銀白色の縞がある。赤身で、まぐろに比べやわらかい。
【調理法】味付き
しょうゆ漬け、ガーリック味など、油漬け、水煮にあてはまらない味付けが施されたもの。
最後に、ツナ缶のチャンクの油漬けを使った、ツナの旨味と辛味が絶妙な『ツナガパオライス』のレシピをご紹介。
◆ツナガパオライス◆
≪材料≫
ツナ缶(チャンク・油漬け)…1缶
ピーマン(赤・緑)…各1/2個
にんにく…1片
卵…2個
赤唐辛子(輪切り)…少量
サラダ油…小さじ1
バジル…10枚
【A】
ナムプラー…小さじ1
オイスターソース…小さじ1
砂糖…小さじ1
ご飯…茶碗2杯分
≪作り方≫
【1】ピーマンは細切り、にんにくはみじん切りにする。
【2】多めのサラダ油(分量外)でフライドエッグを作る。
【3】フライパンにサラダ油を熱し、にんにくと赤唐辛子を炒め、香りが立ってきたらピーマンを炒め合わせる。
【4】ツナ缶を缶汁ごと入れ、Aを加えて炒める。
【5】バジルをちぎって加え、全体を混ぜ合わせて火を止める。
【6】器にご飯と【5】を盛って【2】をのせ、お好みでバジル(分量外、適量)を飾る。
撮影/北原千恵美
※女性セブン2017年9月14日号