昭和を舞台にしたドラマが増え、人気を集めている。好調が続くNHK連続テレビ小説『ひよっこ』をはじめ、『24時間テレビ』(日本テレビ系)で亀梨和也が演じた作詞家・阿久悠さんのドラマも高視聴率を記録した。こうしたドラマが人気を集める理由のひとつは「昭和感」にあるという。“昭和ドラマ”が「昭和感」を出すためにやっている工夫についてコラムニストのペリー荻野さんが迫る。
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ここ数年、「昭和ドラマ」が強い。テレビ東京はビートたけし・山田孝之で脱獄犯と看守の戦いを描いた『破獄』、WOWOWは昨年、上川隆也で『沈まぬ太陽』を全20話で放送と力の入った作品が続く。
先日の『24時間テレビ』も、マラソンの件ばかりが話題にされた気がするが、そんな中、亀梨和也主演のドラマ『時代をつくった男 阿久悠物語』が25.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と堂々の高視聴率を記録した。
そして、またまたNHKが昭和ドラマの新作をスタート。国民的スター、「ハナ肇とクレージーキャッツ」の植木等(山本耕史)と後にコメディアンとして人気を博す付き人の小松政夫(志尊淳)の師弟愛を軸に昭和の名曲、バラエティーの名場面を再現する土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』だ。
NHKは、この『植木等』と朝の連続テレビ小説『ひよっこ』、さらに土曜時代ドラマ『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語』と3本の昭和ドラマを放送中。他にもこの夏は、井浦新主演で沖縄を舞台にしたノンフィクションドラマ『返還交渉人~いつか沖縄を取り戻す』を放送したし、昨年は、満島ひかりが黒柳徹子に扮した『トットてれび』も話題になった。コメディ、シリアス、さまざまな「昭和ドラマのデパート」のような状態だ。
昭和ドラマを面白くするポイントは、いかにリアルな昭和感を出すか、である。いちばん手堅いのは、当時の映像資料を織り込むこと。『ひよっこ』のビートルズやツイッギーもモノクロ映像は、さすが本物。『阿久悠物語』の『スター誕生!』の場面で、森昌子の初々しいたわし頭やぽっちゃりしたピンク・レディーの実際の映像も、平成世代視聴者には「これが伝説の」と新鮮だったはずだし、40代以上の視聴者の懐かし心をガッチリつかんだに違いない。