中国内陸部の安徽省蕪湖市で、22年前に4人の人間を殺害された事件の犯人として、数々の文学賞を受賞し、中国作家協会の会員でもあり、ミステリー作家としてテレビや新聞などで活躍する著名な「農民作家」が逮捕され、大きな話題になっている。
31歳の時、知人とともに、同省と隣接する浙江省の小さな旅館で4人を惨殺。迷宮入りとみられていたが、最近になって、地元警察がDNA鑑定を導入し、遺留品のタバコの吸い殻などが決め手となり、逮捕されたものだ。
男は自宅に踏み込んだ警官隊に「ずっと待っていました。自殺するため、殺鼠剤も用意していました」とすでに観念して、落ち着いた様子だったという。北京紙「新京報」が報じた。
この作家は劉永彪で、蕪湖市郊外の農村地帯、南陵県の出身。農民だった父が1995年に自殺したことから、金に困り、同年11月下旬、当時42歳だった年上の遊び友達だった男と一緒に、数十キロ離れた浙江省湖州市の小さな旅館に泊まり、泥棒などを働くつもりだったという。
旅館の客を襲って現金100元あまりと時計などを奪ったあと、騒ぎに気付いた旅館の経営者夫妻と13歳の孫も殺して逃走。
警察は宿泊客だった劉ら2人を犯人と断定したが、「安徽省訛りの2人の男づれ」というだけで、証拠が乏しく、22年が経過、一時は迷宮入りとみられていたこともあった。