何度も同じことを繰り返す外国人に対し「ユーアーデジャブ」。“刑務所”と英語で言いたくて、絞り出した単語は「メニメニ バッドマン スリーピングハウス」──。
視聴率20%超連発の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の人気コーナー「出川哲朗はじめてのおつかい」でのヤバイ一コマだ。めちゃくちゃな英語を使う出川哲朗(53才)だが、本人は至って本気。ハートさえ通じれば、“世界は皆友達“とばかりに身ぶり手ぶりで思いを伝えようとする。こんな彼の一生懸命な姿に今、多くの人々がハマッている。
出川といえば、かつては女性から「生理的にムリ」と毛嫌いされ、『an・an』(マガジンハウス)の“抱かれたくない男ランキング”では、2001年から5年連続で王座に君臨。当時、女子高生の集団にインタビューしようとしたところ「気持ち悪い! 来ないで!」と拒まれ、心が折れたこともあったという。
だが今や、冒頭の『イッテQ!』をはじめ、5本のレギュラー番組を抱え、4月からは、初の冠番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)もスタート。そのほかCM出演も合わせると「年収は推定1億円超」(テレビ関係者)ともいわれている。『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』の番組プロデューサー・平山大吾さんが語る。
「オファー当時は今みたいな人気はなかったから、とにかく一生懸命やってくれそうだな…と1か月だけの“お試し”の予定でした。でも、ふたを開けたら、驚くほど反響がありました」
5月には『VSリアルガチ危険生物 迫り来る世界の衝撃アニマル』(TBS系)で長年の夢であったゴールデンでの初MCを務めるなど、この出川ブームはリアルガチだ。「日本一の嫌われ者」がなぜ、「愛されおじさん」へと大変貌を遂げたのか。
「出川さんは、もはやゆるキャラだ」と唱えるのは、ゆるキャラ評論家・ろばとでにろうさんだ。
「昔はシャープな顔つきだった出川さんも、おじさんになって太ったからか、ゆるキャラに近い外見になってきた。ふなっしーも登場当初、動きや声が気持ち悪いと叩かれましたよね。ゆるキャラも慣れるとかわいく見えてくるキモかわいいキャラに人気がシフトしています。出川さん人気もこの法則でしょう」
前出の平山プロデューサーも出川のゆるキャラ的人気を物語るエピソードを教えてくれた。
「ロケに出ると、小さな子供からお年よりまで“出川だ!”と大声で呼び捨てにして応援する。それに子供たちは出川さんをキャラクターだと思っていてバンバンと体を叩くんです。でも、出川さんはまったく嫌がらない。笑顔でみんなにサインしたり握手したりと大サービスするから、ロケがまったく進まない(笑い)」
なるほど、確かにゆるキャラ的である。
※女性セブン2017年9月21日号