自分の老いを感じると、今まで気にも留めなかった妻の若さが急にまぶしく不安になる。自分は妻に男として見られていないのではないか、他の男性に興味あるのでは──。そんな悩みを抱える年上夫は少なくない。
年の離れた妻との結婚は案外につらいものでした、と明かすのは69才のKさん。21才年下の妻がパートに出かけるのを見るだけで悶々とするという。
「専業主婦だった妻は、ぼくが定年退職してから働くようになりました。出かける時にきれいに化粧していく妻を見ると、どこかウキウキしているように見えてしまう。最近は会社の飲み会だと深夜に帰ってくることもあります。何の証拠もないのに心配で疑心暗鬼でどうしようもない。同年代だったらこんな思いしなかったな…と」
60才のSさんは、42才の妻と結婚8年目。昔は若い妻をもらったことで羨望の的になったというが、体力的な問題に直面しているという。
「正直、とても美人ないい妻です。結婚当初はいろんな相性もよくて。でも50代後半になって急に体力に自信がなくなってしまいました。あるときガクッとくるんですよね。以前は妻を満足させることができたのに、衰えた自分を見せたくなくてセックスレスに。でも妻が求める雰囲気は伝わってくる。離婚は絶対したくないけど、妻の浮気は見逃すしかないのかと考えて逡巡してしまう。妻も若い男の方がいいに決まってると思うんです」
妻側の悩みもある。25才のときに24才上の夫と結婚したMさん。
「20代のときは頼れて、仕事も第一線のバリバリで、経験したことのないことができて素敵でした。でもあれから15年、夫は60代半ばで周囲からみたら“おじいちゃま”。私は40才になったばかりでもっと旅行したり、新たな挑戦をしたい年頃。どうにもかみ合わなくなってしまいました」
米・エモリー大学が3000組の夫婦を対象に行った調査によると、いちばん離婚率の低い年齢差は0才。しかし、年齢差が広がるほど離婚率は上がり、20才差以上は同い年夫婦と比べて離婚率が2倍になるという結果だった。恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんは指摘する。
「一般的に、男性の性欲は20~30代でピークを迎えるのに対し、女性は40才前後だといわれています。年の差夫婦の場合は、女性が40代だと男性は50~60代なので、体力が続かない人もいる。そうなると、“妻に格好悪い姿を見せたくない”と言う男性も多い。当然妻は不満を抱え、自分が女として見られないことに不安を感じます。結果うまくいかないケースも多い」
いつの時代も年の差夫婦の悩みはつきない。
※女性セブン2017年9月21日号