ライフ

西郷隆盛の肖像画、どれが最も似ているか論争に決着

西郷隆盛の曾孫で陶芸家の西郷隆文氏

 西郷隆盛は一枚の写真も残していない。かわりに多くの肖像画が残されているが、どれが「本当の顔」か。

 * * *
 有名なのは、大蔵省で印刷技術を指導していたイタリア人版画家のエドアルド・キヨッソーネによるものだ。だが、キヨッソーネは西郷と会ったことはない。

 西郷の死後、肖像を依頼されたキヨッソーネは、西郷と縁があった大蔵官僚・得能良介の助言を得て、顔の上半分は弟の西郷従道、下半分は従兄弟の大山巌の写真をもとに描いた。

 一方、実際に西郷に会った者が描いた肖像画もある。戊辰戦争の庄内攻めの際、西郷の温情で制裁を免れた庄内藩の石川静正は、明治初期に鹿児島を訪れて西郷と交流した。その経験をもとに、穏やかで慈悲深い表情の西郷を描いた。

 薩摩出身の画家・肥後直熊は幼少時、西郷の隣家に住んでおり、「直坊」と呼ばれて西郷の膝の上でよく遊んでいた。その肥後は西郷の没後50年祭に際し、昔日を思い出しながら肖像画を描いた。西郷の末弟・小兵衛の夫人は「生き写し」と絶賛したと言われる。

 鹿児島の画家・服部英龍が描いた西郷は、着流し姿で洋犬を連れており、上野の銅像のモデルとなった。明治6年の政変後、温泉で湯治している西郷を物陰から盗み見して肖像画を描いたとされる。最近は狩野派の画人・中原南渓が描いた肖像画を服部が模写したとの説が強い。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン