後世に名を残す歴史上の偉人たちとはいえ、所詮は1人の人間。現代社会に生きる我々と同様、彼らも相続ならぬ“争続”に頭を悩ませた。
明治維新を目前に暗殺された坂本龍馬の妻・おりょうは、土佐(現在の高知県)にある龍馬の実家に身を寄せる。しかしわずか3か月ほどで家を飛び出してしまう。歴史作家の井手窪剛氏がいう。
「おりょうと龍馬の実家の面々は、かなり折り合いが悪かったようです。おりょうの聞き書きを残した『千里駒後日譚』には、『龍馬の実家は裕福ではなく、内々に明治政府から下るであろう報奨金をあてにしている』という記述があるのです。
実際に龍馬の遺族に報奨金が支払われたかどうかは確認されていませんが、おりょうが『龍馬の“遺産”を実家に独占されてしまうのでは』と危惧していたことは間違いなさそうです」
※週刊ポスト2017年9月15日号