日本軍に強制徴用された朝鮮人炭鉱夫の悲劇を描く映画『軍艦島』が、今年7月、韓国で封切られた。観客動員数は公開からわずか10日で600万人を突破した。映画の内容は荒唐無稽の一言に尽きる。
──戦争末期の1945年3月、海底炭鉱で栄える長崎県の端島(はしま、通称・軍艦島)に、日本軍によって強制徴用された朝鮮人が次々と連行されてきた。炭鉱に送られた男たちは劣悪な環境下で日々、死と隣り合わせの過酷な採炭作業に従事する。
ミスをすれば凄惨な暴行を受け、島から脱出を試みた者は容赦なく殺害された。やがて坑内で大事故が発生し、多くの朝鮮人が命を落とす。彼らの死亡保険金は炭鉱会社が受け取る仕組みになっていた。一命を取りとめた朝鮮人の暴動を恐れた炭鉱会社幹部は、坑道を塞ぎ生存者を殺害。遺体は島の一角に無造作に積まれ焼かれた。
そして8月、広島に原爆が投下されると、敗戦を悟った炭鉱会社幹部らは、口封じのため島内にいる全ての朝鮮人の殺害を企てる。そうした中、鉱夫として島に潜入していた朝鮮独立軍の特殊部隊員を中心に朝鮮人が蜂起。日本側と激しい銃撃戦を展開し、決死の脱出作戦を決行する。
以上が映画のあらすじだ。劇中には、連行された朝鮮人女性が売春を強いられる描写もある。
偽りの歴史ばかりが描かれた映画なのだが、話題性は十分で、韓国では夏休み映画の目玉作品として公開前から注目を集めていた。映画の影響もあってか、長崎の軍艦島では6月ごろから韓国人客が急増。それに伴いトラブルも発生しているという。