昨今、子供達のいじめの舞台は教室からLINEやツイッターを含めたネットへ。いじめに気づいたら、すぐに証拠集めを。ネットでのいじめの場合、すぐに証拠を保存しないと消されてしまうからだ。いじめ問題に詳しいレイ法律事務所の高橋知典さんはこう語る。
「実は証拠を消すのは被害者自身で、仲がよかった頃の楽しい会話は残し、悪口だけ消す傾向があります。だから子供たちには、証拠を消さないこと、残しておくのがつらい文面なら、親の手元に保存してから消すことを徹底して伝えましょう」
暴力を受けたら病院で診断書をもらえば、学校側は対応してくれる。それと同様に、ネットいじめも該当するメッセージが写真や動画で残っていれば、学校も動いてくれやすい。たとえ隠語を使って外部に意味がわからないようにしていても、メッセージの前後関係さえわかれば、いじめた側が「そんなつもりで言っていない」と主張しても、「じゃあなんでこういうふうに言ったの?」と真の意味を追及しやすい。
万一消えてしまった場合でも諦めないこと。T.I.U総合探偵社代表の阿部泰尚さんはこうアドバイスする。
「私たちのような探偵会社であればログの復元、そして、まだ消していない友達の保護者に交渉して証拠集めをすることも可能です」
具体的な証拠保全の方法をお伝えしよう。まずは、スクリーンショットでの保存について。 表示している画面を丸々保存できるスクリーンショット。どんな機種のスマホやパソコンでもこの機能は使える。スマホが壊れてデータが消える可能性を踏まえ、撮った画像は必ず、SDカードやPCなどに移して保存しておこう。
続いて、動画に撮ること。子供のスマホにツイッターやLINEの該当画面を出し、親のスマホの動画機能などを使って、スクロールしながら録画しておくのも手。
特にLINEは、スタンプだけ何十個も送信するケースが多いので、スクリーンショットで保存すると、何百枚も撮らないとならず、撮り漏れることも。ネットでのやり取りは前後関係が大切なので、動画ですべて撮るのがおすすめ。画面はアップで撮ること。
続いて、LINEの場合には、「トーク履歴」を活用することが有効。「トーク履歴」機能を使えば、スクリーンショットや動画で撮らなくても、そのグループのメッセージすべてが保存できる。方法はLINEトーク画面を開き、「トーク設定」→「トーク履歴をバックアップ」→「テキストでバックアップ(文章だけ保存)」か「すべてバックアップ(スタンプも保存可能)」を選んで保存先(共有先)を選択する。
※女性セブン2017年9月21日号