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インスタグラムにハマる主婦、家事が生きがいに昇華する

所要時間は約2時間。クオリティーの高すぎる、まこつさんのデコ弁当

 誰もが1度は口にしたことがある国民的スナックからスーパーやレストランの看板、さらには人気キャラクターの顔を細部まで再現。こんなお弁当の写真がアップされた「インスタグラム」(以下、インスタ)が主婦の間で話題となっている。

 この写真を投稿しているのは、栃木県在住の主婦・まこつさん(@yuko.makotsu)だ。 2015年に始めたインスタは、現在ではフォロワー数11万人超え。9月9日には『愛と憎しみを込めた旦那への猟奇的弁当 フタを開けたらつい笑っちゃう!企業弁当&おかず150』(KADOKAWA刊)を出版する。

『Facebookを最強の営業ツールに変える本』(技術評論社)の著者でSNSに詳しいITジャーナリストの坂本翔氏によれば、最近“インスタ主婦”が急増しているという。

「インスタが主婦にウケたのは、同アプリが持つ特性によるところが大きい。他のSNSと比べて文章の重要性が低く、写真だけで家事の合間に情報を発信できますから。主婦の投稿はお弁当だけでなく、料理、収納、家計簿のつけ方など、そのジャンルは多岐にわたり、“主婦の知恵”が詰まったインスタが人気となっているのです。そして、今、フォロワーが1万人を超えるインスタ主婦は、『インフルエンサー主婦』と呼ばれ、多くの主婦の憧れとなっています」

 坂本氏によれば、「インフルエンサー」とは、他者の活動や意思決定に影響を与える存在という意味。かつての“カリスマ”に近い。

 まこつさんがインスタを始めたのは、「主婦業への不満」がきっかけだった。

「主婦って毎日同じことの繰り返しじゃないですか。しかも、誰かに評価されたり、褒められたりすることもなく、達成感のないまま日常が繰り返されていく。仕事もしてないから外の世界と壁ができちゃったみたいになって…。自分はつまらない人間になっちゃったなって、自信がなくなっていきました。でも、お弁当の投稿に『いいね!』やコメントをもらううちに、家事が楽しくなってきました」(まこつさん)

 日本メンタルアップ支援機構・代表理事の大野萌子さんは、SNSにはこうした多くの主婦が抱えているマイナス感情を癒してくれる効果があると話す。

「人は、自分が何かのグループに属していたいという“帰属欲求(社会的欲求)”に加え、自分の価値を認めてもらいたいという“承認欲求”を持っています。

 どこか孤独や不安を感じている人にとって、好みや嗜好性でコミュニティーができているSNSは所属先を見つけやすい。たとえバーチャルな空間であっても『いつも頑張っててスゴい』と褒められれば、承認欲求が満たされ心のモチベーションが上がります。だから、インスタにハマる主婦が増えているのかもしれません」

 地味だと思われがちの家事を生きがいにまで昇華させることも可能なのだ。そして、その頂点に君臨するのが、インフルエンサー主婦である。

※女性セブン2017年9月21日号

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