「帰宅ラッシュ時に、コンビニのペペロンチーノを、立ったままズルズル音をたてて食べている女性を見て目を疑った」(52才・会社員)
「駅構内で販売しているということは、食べていいということなのでは」(47才・パート)
いまだ賛否の沸き起こる電車内飲食。そこで女性セブンは10~80代の男女436人にアンケートを実施。「車内飲食の是非」について聞いたところ、以下の結果となった。
反対:56.2%
賛成:43.8%
反対派の方が多かった形だが、とはいえ「飲食の経験がある」と答えた人は約7割に。悪いと思っていても実際は食べたことがある人が多いようだ。
日本民営鉄道協会の調べによると、「駅と電車内の迷惑行為ランキング(2016年)」の1位は「騒々しい会話」、2位は「携帯電話・スマホの操作」で、電車内での飲食は13位と上位ではない。だったら許されるのではないだろうか。
「飲食や排泄という行為は人間の本能です。しなければ生きていけません。ですが、そういった本能は人に見せるものではありません。しかるべき場所で行われるべき行為です」
とは、現代礼法研究所代表の岩下宣子さん。公共の場での飲食は、トイレで排泄する姿を人に見せるようなものだという。
「恥ずかしそうに口元を隠しながら食べている人には、周りへの配慮が感じられますが、周りを気にせず堂々と食べていると、配慮ができない自分勝手な人とみなされます。もちろん、体調に問題を抱え、飲食が必要な人は別ですが。さらに、食べ物にはにおいがあります。においは人によって好き嫌いが顕著に出る。いろんな感性の人が集う車内では避けるべき」(岩下さん)
一方、鉄道会社の小田急電鉄では、さまざまな状態や状況の乗客がいることを踏まえて、車内飲食にはあえて規定を設けていないと話す。
「車内飲食に対して、禁止はしておりませんが、周囲のお客様へのご配慮や、車内の美化へのご協力をお願いしております」
通勤電車としても利用できる小田急電鉄の特急ロマンスカーは、飲食時にも利用できるよう全席にテーブルが設置されているという。こういった備品の有無なども、飲食していいか、控えた方がいいかの判断材料になる。
車内は公共の場であると認識し、節度のある行動を心がければ、飲食についてはもちろん、おしゃべりやスマホ使用などのマナー全般が改善されるのではないだろうか。
※女性セブン2017年9月21日号