フジテレビが9、10日に放送した『FNS27時間テレビ にほんのれきし』が平均視聴率8.5%を記録し、歴代最低に終わった昨年の7.7%を0.8ポイント上回った(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。お笑い要素をなくし、ほぼ収録で行われた今回。内容に関しては視聴者の評価はわかれているが、コラムニストのペリー荻野さんはどう見たか。ペリーさんは総合司会を務めた関ジャニ∞村上信五の”仕切り力”と、ビートたけしの健在ぶりが際立ったと言う。以下、ペリーさんの解説だ。
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そんなわけで、いろんなことを教えてくれたフジテレビの『FNS27時間テレビ にほんのれきし』。
一番にわかったことといえば、壮大な日本の歴史、というわけではなく「次は関ジャニ∞」ということだ。番組の総合司会がビートたけしと村上信五。途中、たけしが村上を「中居くん」とボケてみせた場面があったが、そこでも動じず、村上はとにかくたけしの話を受けて受けて返しまくる、レシーブのうまい“ひとりバレーボールチーム”のような仕切りを見せた。エンディングでピカピカ光るセットの階段を例によってコケそうになるたけしをガッチリ支え、「そのボケはほんまに危ない」と発した瞬間、「仕切り切った」と見えた。
奇しくもこの番組は、元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人がジャニーズ事務所を退所した翌日から放送が始まっている。フジテレビはSMAP5人が揃う唯一のレギュラー番組を放送し続けていた局だけに、このバトンタッチ感は、印象的であった。
一方で、お笑い系に関しては、まだまだ、たけしでいくのだなということもわかったのだった。村上水軍の末裔であるという村上にホースで水をかけるはずが、スタジオ中に放水して大騒ぎになったり、化石発掘体験といわれて金づちで自分の頭をたたくマネをするなど、たけしらしい動きに、久々に『ひょうきん族』を思い出した。近年、これだけ多くのお笑い芸人が出てきても、27時間もたせられるのは、(「疲れた」とぼやいていたものの)、やっぱり70歳のたけしなのである。