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安倍政権で“役人天国”再び 老後の官民格差どんどん拡大

役人は60歳以降も高給で安泰

 政府は国と自治体合わせて約330万人いる公務員に「65歳完全定年制」を導入する方針を打ち出した。

 そもそも、これまでの雇用延長の待遇には、大きな官民格差がある。国家公務員と地方公務員にも60歳の定年後、「再任用」で最長65歳まで働ける制度が用意されているが、民間企業の再雇用と比べると天国と地獄ほどの違いがある。

 まず給料が高い。国家公務員が“再任用”でフルタイム勤務した場合、月給は現役時代の7割(最高額の行政職10級は約52万円)、ボーナスも年間2.2か月分支給される。

 民間と公務員は賃金カーブが大きく違う。大手企業でも50歳代前半で給料がピークを迎え、その後は役職定年などで「60歳の時は手取りが2割ほど下がる」(メガバンクOB)というカーブを辿る。再雇用で基本給の7割を保証されても、収入はピーク時の半額に減る。

 一方の公務員は60歳の定年まで給料が上昇し、退職金の算定を増やすために退職直前に給与等級をアップする“慣行”まである。再任用の給料はそうした“水増し給料”の7割に設定されているのだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が語る。

「最近の安倍政権で目に余るのが役人天国を再び野放しにしていることです。公務員には再任用制度があるのだから、それで十分。天下り先を渡り歩き高給を得るキャリア組の官僚だけでなく、ノンキャリア公務員にも現役時代と同等の給料を維持させるのが定年延長の狙いでしょう。

 問題は、民間企業の正社員の平均年収が400万円台なのに対し、公務員の平均年収が700万円台と賃金に大きな官民格差があることです。それをベースに退職金も再任用の給料も年金も計算されるから、老後の官民格差がどんどん広がってしまう」

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