スマホやパソコンなどの通信機器を通じて、医療サービスを医師が行う「遠隔診療」。以前は離島などの医師が少ない場所で活用されていたが、最近では都会で忙しく働く会社員や、診療時間外の乳幼児の医療相談などへと広がっている。また、実際に治療に入る前段階で、遠隔診療を活用してセカンドオピニオンを受けるケースもある。
東京都江戸川区南小岩にある『岩井整形外科内科病院』の古閑比佐志さんは、脊椎内視鏡下手術のスペシャリストだ。
「手術が必要と言われた場合、本当にそれでいいのか心配になるかたは多いですね。主治医以外の意見を聞きたい、最新治療についてもっと知りたいと思った時に、相談できるのが、遠隔診療のセカンドオピニオンです」(古閑さん・以下同)
希望者は詳細な問診票に記入して、予約を行い、あらかじめMRI画像などの資料を送付しておくことが必要。料金は、保険適用外で15分5000円+予約料500円だ。
「事前に医師が資料と問診票をチェックしてから遠隔診療に入るので、効率的に話せます。患者さんも、15分を有効に使おうと質問したいことを整理してくるので、終わった後の満足度も高いようです」
セカンドオピニオンを受けた後、古閑さんによる手術を希望して入院した40代の女性は、「椎間板ヘルニアの痛みが強すぎて、遠方まで診察に行くのは無理でした。画像を送り、画面を通じてですが、直接先生とお話ができて、こんなに素晴らしいことはありません」と話す。
15分かけてみっちり話して手術を決めたからか、取材翌日が手術だというのに、不安な表情は一切なく、安心感が得られているという。
もちろん、手術が必要かどうか、術式が適切かどうかのアドバイスを受けたり、地方であれば近くの病院を紹介してもらうこともできる。
※女性セブン2017年9月28日号