休場相次ぐ秋場所。大わらわなのは取組編成をする審判部だけではない。途中休場の力士が出ると不戦敗となる一番に懸賞をかけているスポンサーに連絡し、懸賞を取りやめるか、別の一番に振り替えるかの確認をしなければならない。
3日目は大関・高安の20本の懸賞のうち4本、宇良(前頭4)の10本のうち3本が取りやめになった。人気力士の場合、協会職員が電話にかじりつく大騒ぎとなるのである。
気になるのは古株の懸賞スポンサーの酒造メーカー・大関だ。社名に因んで大関が登場する一番に必ず懸賞をかけてきた。大関昇進お披露目の席で清酒「大関」の菰(こも)樽が提供されることでもおなじみだ。
「豪栄道まで途中休場で大関不在になったら、懸賞はどうするんでしょう。2012年9月場所では3大関(琴奨菊、把瑠都、琴欧洲)が途中休場となったが、鶴竜(当時は大関)だけは千秋楽まで出場した。大関不在もまた、珍事ですよ」(相撲担当記者)
※週刊ポスト2017年9月29日号