ライフ

西郷隆盛「大の写真嫌い」はウソ 「顔が違う」伝説の真相

上野公園の西郷隆盛銅像(昭和初期) 共同通信社

 写真が残っていないため、西郷隆盛は大の写真嫌いだったと言われる。しかし、『西郷隆盛伝説の虚実』の著書がある歴史家の安藤優一郎氏は、実際はそうではなく、単に写真を撮る機会がなかっただけではないかと分析する。

「大久保利通や岩倉具視など新政府の要人たちは、例えば明治4(1871)年の欧米視察(岩倉使節団)の際に写真を撮っています。しかし、西郷は留守政府の責任者として国内に残り、そうした機会がなかった。もちろん日本で写真を撮ることも可能ですが、廃藩置県による統治システムの再構築をしている最中、写真を撮る時間もないほど多忙であったことは容易に想像がつきます」

 写真がなく、ベールに包まれた西郷の顔をめぐっては、明治31(1898)年、東京・上野公園に建立された西郷像除幕式の際にイト夫人が「こんな人ではなかった」と発言したという逸話もある。

「しかし、それは『銅像のような着流し姿で人前に出るような、礼儀をわきまえない人間ではない』という意味で、顔など容姿が似ていないという意味ではなかった。写真が存在しないことが、『顔が違う』という伝説を生む下地になったのでしょう」(安藤氏)

◆取材・構成/浅野修三(HEW)

※SAPIO2017年10月号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン