一時期の低支持率から一段落した自民党内では早期の解散総選挙を求める声があがっているという。それでは、安倍首相が9月中にも召集される見通しの臨時国会冒頭、あるいは10月22日のトリプル補選(青森4区、新潟5区、愛媛3区)直後に解散を打てばどうなるか。
自民党が7月の東京都議選で大惨敗した直後、新聞各紙は総選挙での自民の大幅議席減を予測した。
東京だけの現象ではない。8月の内閣改造後も安倍内閣の不支持率が支持率を上回り、都議選に投票できなかった多くの国民が「次はわれわれの1票で驕る安倍自民にお灸を据える番だ」と総選挙を待っていたことがわかる。
ところが、わずか数週間で情勢はガラリと変わった。「政界の生き字引」と呼ばれる平野貞夫・元民主党参院議員が語る。
「北朝鮮情勢から考えて安倍首相が早期解散に踏み切るとは思わないが、もし総選挙を行なった場合、野党側は準備不足でまともに戦えない。まず、民進党から離党者が相次いで野党共闘が進んでいない。前原誠司・代表は離党組にあまねく刺客を立てるといっているが、そんなことをすれば小選挙区で勝ち上がっている議員と共倒れになる。事実上の自民不戦勝だ」
※週刊ポスト2017年9月29日号