今や、「還暦を過ぎたら悠々自適」というのは夢のまた夢。今年度の年金受給額は0.1%引き下げられる一方、納める年金保険料は増額した。年金だけでは日々の生活がおぼつかない時代が到来している。だが今、シニア主婦の労働市場が熱い。東京しごとセンターによると、55才以降の就職者数は前年度から47人増加。うち4割以上が65才以上と、シニアの就職率は増えている。臆せず積極的に応募したい。
応募の際、まず必要なのは履歴書だ。書き方はハローワークなどの講座で学べるが、ポイントは、「自分がその企業にとって、どう役に立つかを明確に書くこと」だと、キャリアコンサルタントの上田晶美さんは言う。主婦時代が長く、資格がないからといって「何もやったことがなくて」と謙遜するのはNG。家事ができることは立派な武器になるので、堂々とアピールしよう。
また、面接では何を見られているか、東京しごとセンター・篠田高志さんが教えてくれた。
「体力を重視する仕事の場合、面接が終わっていすから離れる瞬間、サッと立ち上がれるかなど、体の動かし方をチェックしている企業もあります。また、協調性があるかどうかを、雑談の中でさりげなくうかがう企業は多いですね」
場の空気をちゃんと読んで動けるかを見られているのだ。
「業種を問わず、コミュニケーション能力と協調性は問われます。例えば、ほぼ女性で構成されている調理補助などの現場では、どうしても人間関係のいざこざが起きやすい。そんな時、うまくいなしてくれるスタッフにいちばん来てもらいたい、というのが企業側の本音。逆に、過去の技術経験を鼻にかけ、説教したがる人は敬遠されます」(篠田さん)
【こんな人が求められている!】
●協調性があり、社交的
●資格があればよりいいが、なくても問題なし!
●どんな仕事も楽しめる
●腰が低い
●過去の職務経験を生かすのはいいが、ひけらかさない
●何事にも挑戦しようという意欲がある
●人の役に立ちたいと思っている
●謙遜しすぎず、能力をきちんとアピールできる
技術や資格より、人づきあいの経験が重要視されるようだ。
※女性セブン2017年9月28日号