ライフ

糖尿病性認知症、血糖管理で発症の予防や症状の改善も可能

糖尿病性認知症の最新知見を解説

 糖尿病患者の認知症発症リスクは、健常者の2倍以上という疫学研究の報告がある。認知症にはアルツハイマー型と脳血管性認知症があるが、実はその2つとは違う認知症があることがわかってきた。それが糖尿病性認知症だ。

 罹病期間が20~30年と長く日ごろから血糖コントロールが悪い、すでにインスリン治療を受けている糖尿病患者に多くみられる。

 糖尿病を合併した認知症患者約240人を連続的に調査したところ、アルツハイマー型と診断されたのが半数、脳血管性は約20%、糖尿病性認知症が約10%で、残りが混合型や、その他の認知症という結果が出ている。

 東京医科大学病院副院長で認知症疾患医療センター長の羽生春夫主任教授に聞いた。

「アルツハイマー型認知症は、近時記憶が障害される症状が最初に現われます。しかし、糖尿病性は記憶の障害はありますが、アルツハイマー型ほど強くは出ません。特徴的なのは注意力が低下し、始終ボーッとしていたり、物事の遂行や実行機能の低下がみられます。例えば材料を用意して料理を作るなど、目的を決めて完成させる日常生活に直結するような機能が障害されます。そして、アルツハイマー型は一定の割合で症状が進行しますが、糖尿病性だと進行はそれほど早くありません」

 糖尿病性認知症をPETで診断するとアルツハイマー型病変ではアミロイドβが脳に溜まっているのが特徴だが、糖尿病性はアミロイドβ集積率は約30%と低い。またMRIで診ると脳血管性の所見である血管病変は見られない。

関連キーワード

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
麻布台ヒルズの個展には大勢の人が詰めかけている
世界的現代美術家・松山智一氏が問いかける“社会通念上の価値の正体” 『うまい棒 げんだいびじゅつ味』で表現したかったこと
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン