「土下座強要」「集団いじめ」「人格否定」という生臭い言葉が瞬間沸騰的に飛び交った末に、双方の言い分は食い違ったままで騒動は幕引きに。何とも後味の悪い騒ぎだったが、その背景を突き詰めると、最近の若い女性たちが抱える“一触即発のメンタル”が見えてきた。
女優・鈴木砂羽(45才)が主演・初演出を担当した舞台『結婚の条件』の開幕2日前に、女優の鳳恵弥(36才)と牧野美千子(52才)が緊急降板して巻き起こった騒動。
鳳・牧野サイドは降板の理由について、鈴木から土下座の強要や罵倒など「人道にもとる数々の行為を受けた」からと暴露。これに対し、鈴木が涙ながらに反論すると、「砂羽さんと女性演出助手による“集団いじめ”があった」と再反論した。
その“土下座騒動”の現場にいた舞台関係者が騒動の真相を明かす。
「通し稽古の後、出演者は円になって座って砂羽さんと演出助手からの“ダメ出し”を順番に受けていたんです。それは正直、なごやかな雰囲気ではないですよね。初日まで時間もないのにこんなことじゃダメでしょうと、それはキツい言葉も飛びましたよ。そこで2回目の通し稽古ができないことを鳳さんと牧野さんが頭を下げて謝ったのですが、これを一方から見れば『土下座をさせられた』となるし、もう一方から見れば『座りながら謝った』となります。双方の“認識”が異なることで話がこじれてしまった」
降板についても鳳・牧野サイドが「一方的に代役を決めて降ろされた」と主張すれば、主宰者側は「鳳・牧野サイドから『降ります』と言われた」と真っ向から対立。ここでもボタンの掛け違いがあったようだ。
「通し稽古後のトラブルがあった9日夕方、鳳・牧野の事務所社長から『2人を降ろす、すぐ稽古場から帰らせてほしい』と主宰者に電話があったんです」(前出・舞台関係者)
社長の主張は、鈴木を降ろすか主要スタッフ2人を降ろせば、鳳・牧野を舞台へ戻すものだったという。2人の主要スタッフは鈴木の腹心ともいえる演出助手と、キャストもかねたスタッフだった。
「ここまで一緒にやって来た仲間を切り捨てることなんてできないと砂羽さんは拒絶したんです。そして何があっても幕を開けようという砂羽さんや他のキャスト、スタッフの強い思いで代役を探そうとなったんです。鳳・牧野サイドとしては初日直前に降板をチラつかせればさすがに“すみませんでした”と頭を下げるだろうとふんでいたんでしょう。ところが、“砂羽さんたちが困っているなら”と引き受けてくれる代役がすぐに決まってしまった。引くに引けなくなってあんな行動に出たんじゃないでしょうか」(前出・舞台関係者)
鳳・牧野サイドは9月14日に騒動の「終結」を宣言した。しかし、双方の言い分は食い違ったままモヤモヤとした後味の悪さだけが残った。ある芸能関係者は、「“出演者”が全員女性だったことが騒動を大きくしたのかも」と呟く。