ネットとおっさんというのは、そもそも相性があまりよくないもの。しかしそれに無自覚なあまり、知らず知らず他人に迷惑をかけているおっさんもいる。大人力コラムニストの石原壮一郎氏は、それを「ネットのおっさん地獄」と呼び、5つのパターンに分類した。
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インターネットやSNSは、とても便利なツールではありますが、とても怖いツールでもあります。あちこちで「炎上」が勃発したり、あちこちで地獄絵図が繰り広げられたり。いろんな落とし穴を避けながら、なるべく平和に心穏やかに活用したいところです。
9月21日、文化庁が今年2月から3月に実施した「国語に関する世論調査」の結果を発表しました。注目したいのは「炎上」について質問した項目。それによると、「炎上」を目撃したときに自分もそうした書き込みや拡散をすると思う人は、わずか2.8%でした。「炎上」が起きると何となく世の中全体が批判しているように見えますが、ぜんぜんそんなことはなくて、どうやら一部のヒマ人が反射的に面白がっているに過ぎません。
年齢別に見ると、「すると思う」の割合が高かったのは20代(10.7%)。若いエネルギーや正義感は、もっと有効に活用してもらいたいものです。30代(3.3%)や40代(3.3%)は全体よりもやや高めですが、おっさん世代の50代は1.2%とかなり低め。「炎上」に関して、大半のおっさんは分別のある落ち着いた態度を取っているようです。
いっぽう、おっさん的に気になるのが「最も親しい人に対して、誤解やトラブルを招きやすいと感じる手段・方法は何か」という質問。複数回答で「SNSやブログでのメッセージ」と答えたのは、10代(82.9%)や20代(72.1%)では極めて高い割合ですが、50代になると56.2%に減少します。半数近くのおっさんは、「SNSやブログでのメッセージ」がいかに誤解やトラブルを招きやすいか、いまいち自覚していないと言えるでしょう。
LINEやフェイスブックやツイッターといったSNSには、たくさんの地獄が待ち構えています。その中には、おっさんの無神経や無作法が引き起こしている地獄も少なくありません。とくに切実に苦しみ悲痛な叫び声をあげているのが、おっさんが自分では気づかないまま餌食にしている年下の女性たち。たとえば、こんな「おっさん地獄」を味わわせていないか、胸に手を当てて考えてみましょう。